2009年6月7日日曜日

もう人で悩みたくない! 店長のための採る・育てる技術


一緒にはたらくスタッフに悩みを抱えていませんか?


どんな時でも「人が集まらない!」なんて悲鳴を上げることは一切ありません。



こんにちはchampleです。

今日の1冊は、先日の『AuthorConnect.jp 関西交流会』でお会いした岡本文宏さんの『もう人で悩みたくない! 店長のための採る・育てる技術』です。

岡本文宏さんは、婦人服チェーンエリアマネージャー・コンビニFCオーナーを経てメンタルチャージISC研究所を設立された日本唯一の店長専門ビジネスコーチです。交流会で実際にお会いしてみるととても良い方で、本書に書かれている通り、スタッフの皆様に愛されるリーダーという雰囲気を感じました。

求人広告をいくら出しても、電話がほとんど鳴らない、もしくは、掛かってきたとしても、こちらが望んでいないタイプの人からの電話ばかり。欠員状態のままのお店は、常にぎりぎりの人員体制で営業を余儀なくされていた。そのため、自分は睡眠時間3時間で働き続け、体重は10キロ以上落ちた。

これは岡本文宏さんの実体験だそうです。

このような危機的状況から、状況は劇的に変化したそうです。現在は、優秀な人材がお店に揃い、長期間辞める事なく働いてくれているそうです。

この変化には、スタッフの募集方法と人材育成法がポイントです。

岡本文宏さんのアドバイスを得て成功した店長さんやマネージャーさんも多いそうです。この本を読めば、店長さんはもちろん、部下をお持ちの方も、「共に働くということ」の本質が学べます。

ではさっそくいってみましょう!


【概要】

第1章

●あなたは従業員から「感謝」の手紙をもらった事があるか?

とある鍼灸治療院では、毎月院長に従業員からのメッセージが届くという。これはまさに、経営者冥利に尽きる。これは、スタッフ自身が経営者のことが好きで、お店とお客様のことを大切に思いながらワクワク仕事をしている証拠である。このような状態であれば、お店の収益が上がるだけでなく、店長自身の生活もきっと変わるはずである。

●店の経営には優秀な人材が必要不可欠である。優秀な人材はどうやって集めるのか?

実は、ディズニーランドの人材にヒントがある。ポイントは、スタッフ自身が従業員になる以前から、ディズニーランドが好きであるということである。働く場所が好きな従業員は、お客さんにも感動を与える事ができる。このような素地を持った人材が優秀なスタッフとなる。

●何のために、従業員は働くのか?

お金を稼ぐことよりも、自分の成長に喜びを感じる従業員が多いのである。従業員の真の欲求を満たす事が出来るような環境を整えることが、優秀な人材を維持するコツである。


第2章

●求人広告と新人研修にかかるコストに目を向けているか?

効率的に従業員を集めて、持続的に働いてもらう事は、確実にお店の利益に繋がる。

●求人を出す時期にもタイミングがある。

1年間の間には、応募者が少なくなる時期がある。特に学生は、授業の有無が応募に影響する。

●こんな採用の仕方をしていないか?

縁故ルートの採用は、後悔に繋がりやすい。


第3章

●購買行動モデルを求人広告にも応用する。

セント・エルモ・ルイスの「AIDAの法則」では、注意(Attension)→興味(Interst)→欲求(Desire)→行動(Action)の流れにそって広告文を作成していく。これによって、消費者は購買意欲をかき立てられる。この原理を、求人の募集に応用するのである。

●どんな人材が必要なのかを明確にしているか?

漠然とした呼びかけは、誰にも伝わらない。求めている人材に、広告を気付かせることから求人は始まる。

●働くことで得られるものをイメージさせられるか?

従業員には働くための欲求がある。その欲求が満たされるイメージが抱く事ができる店に、人は応募する。


第4章

●面接は、人を見抜く場だけだと考えていないか?

応募者を面接の場だけで完全に見抜くことなど不可能である。そこで発想を変えて、面接から従業員として育ててみる。お店の理念や歴史を聞かせる事で、店長の想いに“共感する”人材を見いだす事ができるようになる。

●好き嫌いだけで採用を決めていないか?

西遊記のチーム構成に学びがある。目標を達成できるチームには、お互いにカバーし合えるメンバーが揃っているものである。個人の特徴を良く把握し、バランスを維持する事を念頭においた従業員集めをすべきである。


第5章

●新人研修を単なる作業方法の伝達の場にしていないか?

作業の教育に偏った教育は、単純労働者を生むだけである。「何のためにする作業なのか」という仕事の本質を伝えれば、従業員の行動が変わる。


第6章

●従業員の自主性のなさを嘆く店長さんへ

「何をしてほしいのか」「どういう風に動いて欲しいのか」をきっちり伝える。自分が仕事をしている理由と、その意味が明確に理解できている従業員は、自ら“考動”できるようになる。仕事の本質を伝える事が必要である。

●褒める事が難しいのは当然である。

成果に着目して褒めていると、期待値以下では褒められなくなる。成果以外にも褒めるべきポイントはある。「相手の存在」と「相手への期待」である。人は期待されている通りに成長するということを憶えておく。

●朝礼をひと味変える“サンクスレポート”

報告や連絡、達成目標の確認だけではチームは活性化しない。朝だからこそ、“サンクスレポート”で従業員のモチベーションを引き上げる必要がある。朝礼の場でのサンクスレポートは、モチベーションを上げるだけでなく、他の従業員にも興味が持てるチャンスとなる。


第7章

●問題児の従業員にはどう対応するか?

問題には必ず、原因がある。その原因を突き止める事が事態の改善に必要である。まずは、従業員の声に耳を傾ける事である。人に認められたいと言う欲求を大切にしてあげる。


第8章

●たった3行でも従業員のモチベーションは上がる。

手書きで書かれたねぎらいの言葉は、優秀な従業員の心に響く。従業員の給料袋を受け取る手が、片手から両手に変わる切っ掛けとなったのは、店長からの一筆箋だった。


【マインドマップメモ】



【感想】

世の中の店長さんにとって、この本を読むのと読まないのとでは、大違いです。優秀な人材は意外と身近にいることに気付けば、今日からの求人が変わるはずです。それくらいこの本には重要なことが書かれています。また、優秀な人を集めた後、人材を育てるために店長がすべき事が1冊に盛り込まれています。これが、部下をお持ちの方に本書を読んで頂きたい理由です。

岡本文宏さん、著書をご恵贈頂き、本当にありがとうございました。読んで良かった1冊になりました。


【今日紹介した本】

■ もう人で悩みたくない! 店長のための採る・育てる技術 岡本 文宏


すぐに使える面接時に聞くべき質問リストも掲載されています。



【読書の目的】

意欲的な人材を集めるために、自分が心得るべきことを学ぶ。


【関連記事】

● AuthorConnect.jp 関西交流会に参加しました


【参考サイト】


* 商店主専門ビジネスコーチ 岡本文宏 公式サイト


【やまかわポイント】

91 pt (高得点!)


【目次】

まえがき
第1章 いつも優秀な人材が揃っているお店がしている、ちょっとしたこと
第2章 コストをかけずに効果を上げる求人メディアの活用法
第3章 お店に必要な人材だけを獲得できる求人広告の作り方
第4章 入社後の新人教育がグッとラクになる面接術
第5章 お店全体のレベルを底上げする新人研修
第6章 自主的に“考動”するスタッフを作り出すマネジメント
第7章 採用してから「こんなはずじゃなかった」と嘆いている店長へ
第8章 「仕事モード」をオンにする優良店のモチベーションアップ事例
あとがき


【バックリンク】

♪ 書評ブログに掲載していただきました。|岡本文宏の毎日が忙しい商店主様のコーチング
著者の岡本文宏さんのブログにご紹介頂きました。感謝

◦ 

***

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ

4 件のコメント:

岡本文宏 さんのコメント...

著者の岡本文宏です。

このたびは、私の本のご紹介を頂き
ありがとうございました。

これだけ詳しくご紹介いただきましたのは
初めてです。
さらに、評価も高得点を頂き
感謝いたします。

現在、お店では求人誌に広告を出せば、
ドカンと応募の電話が入るという状況になっています。

ただ、そこで採用した人が
その後どうなっているのかというと
結局は1~3ヶ月程度でやめる。
ひどい場合は出勤初日にドタキャン。。。

そんな状況が多いようです。
つまり、結局はドカンと集まっても
残る人はほとんどいないということです。

これでは、求人広告会社の仕事が増えるだけ。
現場では、求人難の時代と
何ら変わりのない状況が続いています。

もし、そういう状況になっていて
お困りであるという方がいらっしゃれば
ぜひ、この本を手にしてみてください。

きっと、今の状況を抜け出す
ヒントをお持ちただけるのではないかと思います。

コメントをお読みいただき
ありがとうございました。

chample さんのコメント...

岡本 文宏 さま

コメント有り難うございます。

この本を読めばきっと多くの店長さんは『目から鱗』だと感じると思います。このあたりをネタバレしないように伝えるのはちょっと苦労しました。(笑)

本当に良い本だと思います。一人でも多くの悩める店長さんに読んで頂けるといいですね。

ブログにもご紹介頂き、本当に有り難うございました。

Dr.OGA さんのコメント...

記事・・・
いつもながらスゴイです・・・
引き込まれました^^;

私のPJチームでは毎朝、朝礼をしています。
「サンクスレポート」
さっそく取り入れようと思います☆

AuthorConnect行ってみたかったです~


また、何かイベントがあればお誘いくださいませ♪ では♪

chample さんのコメント...

Dr.OGA さま

お久しぶりです。
コメントありがとうございます。

サンクスレポートも私にとって目から鱗の1つでした。朝からみんなのテンションを上げる事はとても重要ですよね。実際に使ってみた感想もお聞かせください。

お読み頂き、ありがとうございます!

イベント告知もご期待ください♪

Related Posts with Thumbnails