2008年3月12日水曜日

8: 「手帳ブログ」のススメ


  • 書名:「手帳ブログ」のススメ
  • 著者:大橋 悦夫 (著)
  • 発売日:2006/4
  • 項数:184ページ
  • ISBN:9784798111025
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【どんな著者か?】
 大橋 悦夫 氏は、ブログ『シゴタノ!を運営されています。毎日仕事に役立つエントリをされ続けていて、多くの読者がいるそうです。私も毎日楽しみに読んでいます。

【要するに何が書いてあるのか】

 これまでブログを作る過程で試行錯誤されてきた事柄について、ポイントをまとめて分かりやすく説明されています。始めるときには、ブログの目的を明確にする。継続する仕組みづくりを工夫する。具体的には、ブログ作成術のノウハウを中心に書かれていますが、実際の日常の仕事にも十分応用できます。したがって、読み方によって得られるものが多くある著作のひとつだと思いました。

【私が注目したポイント】
1.毎日5分の準備運動
2.「ひらめき」を引き出す読み返しのコツ
3.1粒で2度おいしいテーマ設定のコツ
4.じっくりと燃え続けるコツ
5.やる気が出ないときの応急処置
6.「なるほど」を無駄にしないコツ

1.毎日5分の準備運動

 これは、アイデア5分と呼ばれる『5分で頭の中にあることを洗い出そう。』という作業です。そうすることによって、今自分は何がやりたいのか?何が心配なのか?といったことが客観視することができるようになります。ちなみに、この方法は、一人ブレスト(ブレインストーミング)として単純にアイデア出しにも使えると思いました。さて、話をもとに戻しますが、このアイデア5分によって、自分の内面に向き合うことができるようになると、次の段階では自分のなかでわき上がった疑問に答えていく段階に入ります。その答えを引き出す際に大切なことは、Why?ではなくWhat?で質問することだそうです。これは、What?と問うことにより、質問自体を前向きなものにするだけでなく、答えが名詞になるという仕掛けがあります。今抱えている問題に対して、ポジティブで具体的な対処法を導き出すために非常に有効な方法だと思いました。ブログには、こういう自問自答を経て得られたポイントをまとめていけば良いそうです。『仕組み化』を共有するという意味もあると思います(1)。

2.「ひらめき」を引き出す読み返しのコツ

 ひらめきは、ピカッとひらめくのではなく、順を追って手で手繰り寄せていくものであるそうです。つまり、ひとつのことを考え続けているときに、直接的あるいは間接的に、その物事に関連しそうな現象にであったときに、その2つの事柄が結びつき、それがひらめきとなるということです。また、養老先生の『脳には似た構造を発見する能力があり、それが見つかると人はうれしいと感じる』ということを引用されています。これは例えば、人と話しているときに、「そうそう!あるある〜。わかるわ〜」といって盛り上がることがありますが、まさにこの『あるある』が大切ということです。自分のブログを読み返すことにより、あらたなひらめきがあるそうですが、そのときに今と過去自分を照らし合わせて考えると良いそうです。

3.1粒で2度おいしいテーマ設定のコツ

 自分の枠の中だけで完結せずに、枠の外に飛び出してみようということです。この枠とは、本書で挙げられている『サーカスの像』やスティービー クレオ ダービックさんの『ノミ』のお話が分かりやすいです(2)。サーカスの像の話は読んでいただくとして、『ノミ』の話を紹介します。

 ノミは、あの小さな身体で1フィート以上ジャンプすることができる。ところが、そのノミをビーカーに入れてガラス板で蓋をすると、跳び上がってはぶつかるというのを何度も繰り返すうちに、やがて、ガラス板の少し下までしかジャンプしなくなり、それは、ガラス板を取り外しても変わらないという。
 もう、障害はないのに、小さなビーカーの中で、たかだか数インチのジャンプを繰り返すのだ。自分にはその何十倍もの力があるとは夢にも思わずに。


 大橋さんが伝えたいのは、自分で作り上げた枠を乗り越えてみよう。それにブログを利用しようということです。そうすることで、自分の世界が広がっていくのでしょうね。つまり、『2度おいしい』とは、ブログを書く最終目的とその過程の目標を同時に達成できるということです。

4.じっくりと燃え続けるコツ

 ブログを効率よく書くためのコツを13個まとめられています。また、ブログを書くときは、飲み屋で相づちを打ってくれる聞き上手な友達に話すように書くと良いそうです。これはとても参考になりました。洋書にみられる物語り調の自己啓発本などのように、会話調にしてみると、さらにリアリティーが出そうですね。コツの詳細は、本文とともに、大橋さんのエントリ(シゴタノ!: ブログを効率よく書くための13のコツ)を参考にして下さい。

5.やる気が出ないときの応急処置

 これは見出しに興味がありました。ブログだけでなく毎日のモチベーションの維持にも応用できそうだからです。ポイントは二つだそうです。
  • いつもと違うことをやってみる
  • いつもと違うところにいってみる

6.「なるほど」を無駄にしないコツ

 日々の生活で出会う役立つ情報を、自分の行動を変化させるために活用するためには、過去に書いた自分の文章を読み返すことが必要だそうです。大橋さんは、このことを『毎日無理矢理にでも、自分をイノベーションに向き合わせる時間を作る』と定義し、ブログを書き続ける目的のひとつとして挙げられています。イノベーションとは、技術革新の意ですが、ここでは生命の維持に必須ではないものの、生命活動において大切なことの意味で用いられています。これは本田さんの提唱する『仕組み化』を自分に定着させる意味でも重要なのではないでしょうか?

【感想】

文章はとても読みやすく、何度も読みたい本のひとつになりました。
フジタキリンさんの描くかわいいイラストもいい感じです。
脳にとってもブログは良い習慣になりそうです(3)


【参考文献】
1.
レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術
本田 直之
2007
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2.
新自分を磨く方法
スティービー・クレオ・ダービック
2006
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3.
脳が冴える15の習慣
2006
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