2010年4月9日金曜日

マネージャーに必要なのは牽引力ではなく、場回し力









気が弱い管理職だからってマネージメントを諦めていませんか?

こんにちはchampleです。

今日ご紹介する1冊は、『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』の田島 弓子さんの新刊『プレイングマネジャーの教科書』です。

本書は、著者の田島 弓子さんよりお贈りいただきました。
著書をご恵贈していただき、誠にありがとうございました。

私も人を指導しながら、自分でも研究する立場ので、まさに今読むべき本として熟読させていただきました。

本書は、10年もの間プレイングマネージャーとしてお仕事をされ、社長賞も獲得された田島さんのマネジメントの実践論としてまとめられた1冊です。まさに教科書と言うタイトルどおり、具体的なすぐ使えるフレーズがいっぱい載っています。

成果を出し続けるプレイングマネージャーの秘訣を盗むのが、この本を読む私の目的です。

ではまず、本の概要から…

この本は、これまでに多かったカリスマ的ライオン型マネージャーではなく、気の弱いシマウマ型マネージャーがいかにして成果を出して来たのかがわかる1冊です。

自分は気が弱いから管理職には向いていない気がするんだよね…。

と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。これはなにも、プレイングマネージャーでなくとも、普通のマネージャー的立場の人の共通の悩みだと思います。

でもこの本を読めば、マネジメントにカリスマ性や強い牽引力が必ずしも必要なわけではないことが分かります。

全員が一丸となったチームの成し遂げた大きな成果は、スタンドプレーヤーが一人でいくら頑張ったとしても決して成し遂げられないですよね。

記事のタイトルに出ている“場回し”とは、チームメンバーが自発的に動くための環境づくりのことを言います。

この“場回し”こそが、チーム力を上げる礎となります。

田島さんもこのように述べられています。


「上司とは部下に対し、指導よりフォローに注力すべき」というのが私の持論です。
すさまじい成果を上げるとき、人はたいてい自発的に働いています。自身の経験からいっても、上から命じられて大型契約を取る人より、自分のやる気で奇跡の受注を果たす人のほうが多いと実感しています。プレッシャーよりモチベーションだというわけです。
(p. 28)



そして、このような“場回し”の成功は、一つの技術に集約されます。


その技術とは、
“場を回すための”コミュニケーションです。


つづいて、この場回しコミュニケーションについて、ポイントを挙げながら説明しますね。

*ポイント1


今もっとも必要とされているのは、自分の業務をこなしながらも、管理職として部下のモチベーションを保ち、チームとして成果を上げられる人材ではないでしょうか。
(p. 26)



と、田島さんが述べられています。

チームとして大きな成果を出すためには、部署の雰囲気をシマウマのごとく察知し、円滑に部下とコミュニケーションを取りながら、メンバーを達成すべき目標に巻き込んでいくことが必須となりますよね。

これは平野敦士カールさんのアライアンス力ですよね。

ポイント2


「どうしたの? あなたらしくもない」
これは文字どおり、相手を肯定しながら失敗を指摘する、極めてコミュニケーション力の高い言葉です。
(p. 77)



部下が失敗したときに、叱咤することができない上司の方もいるでしょうし、叱咤すべきでない部下もいるでしょう。

そんなときに発するこのフレーズは、相手に冷静に失敗と向き合うチャンスを与えます。

怒鳴って部下の気を動転させたり、自分が高ぶっても、失敗の改善には近づかないですよね。

このフレーズはぜひ覚えておきたいです。

ポイント3


怒られた直後の謝り直し。
(p. 194)
たとえ自分が悪くなくても、第一声は「すみません」
(p. 196)



上司に怒鳴られた経験がある方も多いのではないでしょうか。

私も経験があります。

このような対応はできませんでしたが、きっとこのフレーズを使えば、事態はもっと良くなっていたでしょうね。

素直に謝るための心構えについて田島さんはこう書かれています。


「私のために、叱るというエネルギーを使う行為をさせてしまった」
「心配をかけた」
「誤解を受けるような仕事をしてしまった」
(p. 196)



このフレーズの効用は、田島さんの経験談を読むと「こんなにも効果があるなんて! 」ときっと思うはずです。


以上3点でした。


これらのポイントを見てみると、田島さんの上司としての視点と部下としての視点の両方から書かれた内容であることに気づかれるかもしれません。

この本は、プレイングマネージャーを長年経験された田島さんだからこそ書けた本。上司の視点と部下の視点の両方から書かれているので、お互いの気持ちを汲んで行動できる。板挟みではなく、橋渡しのマネージャーとして心得ておくべきポイントがたくさんあります。

素晴らしい成果を上げられたけれど、振り返ると辛いことも多かったという田島さんですが、この一文が、プレイングマネージャーというポストについての本質をついています。

最後に引用します。


仕事の本質の一つが「人との関わり」であるならば、プレイングマネージャー時代ほど人とまみれる時期もないでしょう。
(p. 12)



私も、自分の置かれた立場を存分に活かして、どんどん成果を上げたいと思います。

この本は中間管理職でお悩みの方におすすめする1冊です。

自分に合う田島流シマウマ型マネジメントのコツが見つかれば、気がすっと軽くなりますよ。

ではまた
今日もお読みいただきありがとうございました。



【今日紹介した本】

■ プレイングマネジャーの教科書 田島 弓子 2010



【関連記事】

● ワークライフ“アンバランス”の仕事力

田島弓子さんの前著の紹介記事です。

● 1の力を10倍にする アライアンス仕事術』

● がんばらないで成果を出す37 の法則ーアライアンス人間関係術ー

平野敦士カールさんのアライアンスについて書かれた2冊の本を紹介した記事です。



【読みたくなった本】

■ はじめての課長の教科書


【目次】

はじめに 数字・部下管理・板ばさみ・多忙で激務。“四重苦”の中で日々奮闘している中間管理職のあなたへ

PART 1 気が弱い人ほど「課長職」はうまくいく!

PART 2 5秒でできるコミュニケーション!「初期投資ゼロ」の即効フレーズ

PART 3 コミュニケーションを仕組み化する

PART 4 クセモノ&苦手な人対策「問題解決コミュニケーション」

PART 5 プレイングマネージャーのためのトラブル時のFAQ

コラム

おわりに これからの時代のプレイングマネージャーを目指して


■ プレイングマネジャーの教科書 田島 弓子 2010



【バックリンク】

◦ 【出版ご報告&御礼】 『プレイングマネジャーの教科書』|Life is Unbalance~田島弓子のブログ

田島弓子さんご本人のブログでもご紹介頂きました。
ありがとうございます。


◦ ■書評■ プレイングマネジャーの教科書|ビジネス書で「知」のトレーニングを! ~ 知磨き倶楽部

ご紹介感謝!


【つぶやき】

  • 仕事の本質の一つが「人との関わり」であるならば、プレイングマネージャー時代ほど人とまみれる時期もないでしょう。(p. 12)田島 弓子著 プレイングマネジャーの教科書 http://bit.ly/abxCUN #bbjp @bizbookjp

    chample_ytk
    2010-04-06 19:10:02
  • 田島弓子 @Yumiko6588 さんのプレイングマネジャーの教科書 今回もまえがきがアツい!ぜひご一読を。プレイングマネージャーという立場にいる方はきっと心に刺さります。 http://bit.ly/abxCUN #bbjp @bizbookjp #shohyou #mhks

    chample_ytk
    2010-04-06 19:15:03
  • ちなみに、田島 弓子さんのプレイングマネジャーの教科書にも実践的なビジネス英会話のコツが載っていますよ! http://bit.ly/abxCUN #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-07 07:50:03
  • 今から、田島 弓子さんの新刊を読みながら、これはというところをつぶやきます。 http://bit.ly/abxCUN #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 20:39:02
  • @chample_ytk わーい☆楽しみです♪♪

    citylinkls
    2010-04-09 20:42:06
  • [1] 営業という仕事の“数”というプレッシャー(p.3)目標が明確な分、目指しやすいがプレッシャーも大きいのだろう。 #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 20:45:01
  • @citylinkls はい!ダダ本ならぬダダつぶやきです♪

    chample_ytk
    2010-04-09 20:45:14
  • [2] シマウマ型マネージャーの調整力、つまりはアライアンス力(p. 5) #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 20:50:02
  • [3] 「どうしたの? あなたらしくもない」(p. 77) 部下が失敗したときにぜひ使いたいフレーズ。 #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 20:55:02
  • [4] 朝令暮改型上司は実は頭の回転が早く、アイデアマン。あえて指示を寝かせておくことも必要。そうすれば振り舞わされない。(p. 170) #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 21:00:03
  • [5] 怒られた直後の謝り直し。たとえ自分が悪くなくても、第一声は「すみません」(p. 194, 196)こんなにも効果があるなんて! #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 21:05:02
  • 以上、田島 弓子さんの『プレイングマネジャーの教科書』読みながらつぶやきでした。ご興味のある方はこちら→ http://bit.ly/abxCUN ブログ記事も間もなく更新! #shohyou #mhks #bbjp

    chample_ytk
    2010-04-09 21:10:03
  • ご紹介ありがとうございます。しかもプレマネであるchampleさんご自身にお役にたつ本であったということが嬉しいです RT@chample_ytk ブログアップしました。田島弓子@Yumiko6588さんのプレイングマネジャーの教科書 http://bit.ly/apMscP

    Yumiko6588
    2010-04-10 00:05:42


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レビュープラス



2 件のコメント:

田島弓子 さんのコメント...

田島です。前作に続きご紹介いただきまして、本当にありがとうございました。

この本は本当に前作以上に思い入れが強くて、おかげで「はじめに」が最後までなかなかまとまりませんでした。「はじめに」なのに、最後に出来上がりました。

気持が前のめり過ぎるのも考えものです(笑)。

つまり、魂はうんと籠っておりますので、ぜひ皆様なりの気づきなり、発見なりを見つけていただければ嬉しいなと思います!

chample さんのコメント...

田島さま


やはりそうでしたか!
まえがきを読んでこれはアツいと感じました。

思い入れが強ければ強いほど、読者の心に刺さると思います。

私もその1人でした。

ぜひたくさんのプレイングマネージャーさんに読んでいただきたいです!

コメントありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

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