知的生産にとって必要な3つの力とは?
こんにちはchampleです。
今日ご紹介するのは、久恒 啓一さんの『図で考える人の「実践」知的生産の技術』です。
久恒 啓一さんは、日本航空の広報課長時代から「知的生産の技術研究会」に参加され、現在、多摩大学の教授をされています。著書には、「図で考える人は仕事ができる」や「人生がうまくいく人は図で考える」など『図で考える』シリーズなどがあります。山といえば川でも「図で考えれば文章がうまくなる」をご紹介しています。
本書では、知的生産にとくに重要な3つの力「理解」「企画」「伝達」の鍛え方が解説されています。章立てがしっかり作られているので、知的生産が体系的に学べます。じっくり読むのがおすすめです。
ビジネス・コミュニケーション能力を高めたい方に読んでいただきたい1冊です。
図で考える人の「実践」知的生産の技術 久恒 啓一 大和出版 2003-03 |
では、目の前の問題を捉え、確実に解決するための図解思考のトレーニングを3つご紹介しましょう。
① 情報を圧縮して活用するために要約力を鍛える
久恒先生は情報を要約する必要性について次のように書いています。
知的生産、あるいは仕事のための読書を考えると、ただ単に「読んだ」というレベルでは、役に立ちません。いったん自分の中で内容を理解するための何らかの処理が行われないと、活用はできないのです。さらに、そのうえで自分なりの技術で深く処理する、という過程を経なければ、使える情報とはなりません。(p. 85)
買って来た食材を調理するのと同じで、情報は、受け取る自分にあった内容に加工しなければ、吸収しにくいということです。
要約力を鍛えるためには、情報を引用し、全体をまとめ、自分の言葉で説明する練習を積むと良いです。
図解を使った読書法は『知的生産のための入門 読書の技術』にまとめられています。
② 物事の本質を伝えるアナロジー力を鍛える
長年の経験から、知的生産者や仕事ができる人は「たとえ(アナロジー)」がうまい人が多いと久恒先生は言います。さらに、新しい考えを思いつくきっかけは、自分の専門分野から離れたフィールドの原理や動向だったりもするとのこと。
未知の対象をざっくり理解するために、対象の本質を類推して直感的に「たとえ」てみる練習をしてみましょう。
③ 自分の考えを俯瞰的に伝える図解力を鍛える
図解には視覚的に物事の要点を把握することができることと、図解の内容をもう一度考えて理解するという2つのメリットがあります。
図解力をつけるには、プロジェクト案や交渉事項、議事録といった実務のなかで図解を使うのが近道です。新聞を図解して内容をまとめたり、雑誌の図解を参考にするのも良いですね。
私は研究について考えるとき図解を使います。「2万個以上ある遺伝子が、癌細胞の内でどんな関係になっていて、それぞれの遺伝子に化合物がどのように作用しているのか?」なんて考えたりしています。複雑な物事を考えるときほど、頭が整理されるので図解を重宝しています。
図解については『コミュニケーションのための図解の技術』に詳細な説明があります。
以上が3つのポイントです。
最後に、『知的生産の技術 (岩波新書)』の梅棹 忠夫 さんの図解に対するコメントを紹介します。
「うまい図解はうまい独創ができたことである」(p. 183)
「図解化と文章化の相互作用は頻繁にやらなくてはいけない。」(p. 184)
サイエンスにも図解が重要であるということがよくわかるエピソードが紹介されていました。
それではまた
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
【今日紹介した本】
図で考える人の「実践」知的生産の技術 久恒 啓一 大和出版 2003-03 |
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