今日は、梅棹忠夫先生の『知的生産の技術』から、読書法を紹介します。
① 本の状況を記録する
梅棹先生は、本を手に入れた日・贈ってくれた人の名前・読了日を本に書き込んでいたそうです。こうして、目の前の本を確かに読んだことを記録していったのですね。
② 本は一気に全部読む
本は筆者の考えが1つにまとまったものなので、本の一部だけをかいつまんで読んでも、筆者の思想を正確には理解できません。したがって、本はなるべく一気に読み終えるようにします。
途中、「重要だ」とか、「おもしろい」といった箇所に出会ったら、線を引いておきましょう。そうすれば、後から読み返した時に自分がどこに注目したかすぐに分かります。梅棹先生は2Bの鉛筆で線を引いていたそうです。
逐一、本文を書き写さないようにしましょう。思考が分断されて、本の内容の全体理解が遅れます。
③ 一度読んだら、「つん読」して、また読む
読まずに積んでおくのではありません。
一度読んで、線を引いた本は手元に積み“寝かせて”おきます。そうすると、しばらくしてから読み返した時に、「やっぱり重要」な箇所を絞り込むことができます。
また、線を引いているときに浮かんだアイデアは、余白部分に書いておけば「つん読」しておいてもなくなりません。
④ 読書メモは1枚のカードに記入する
1枚目のカードには、著者名・本のタイトル・出版年月・ページ数を書き込みます。
2枚目以降のカードには、線を引いた本文を一行に要約した文を書き込んでいきます。著者名・本のタイトル・該当ページ番号を付記しておくと、後から見返したときに便利です。
本文の引用はなるべくしないのが梅棹流です。
⑤ 本の内容を創造的に活用する
読んだ内容を活かすなら、本の内容から離れて、自分のアイデアを育てましょう。本に書かれていることは、すでに過去の事実になってしまいます。そこから一歩踏み出したものが、新しいアイデアとなるのです。
本をダシにして、自分のかってなかんがえを開発し、そだててゆくというやりかたである。知的生産の技術(p. 114)
おわりに
以上が、梅棹流読書術の5つの手順です。
読書に書かれた章の最後に書かれている梅棹先生の言葉が印象的だったのでご紹介します。
本は何かを「いうためによむ」のではなくて、むしろ「いわないためによむ」のである。知的生産の技術(p. 116)
新しいことにのみ価値があると考える、科学者として当然の意見ですよね。
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