池谷 裕二
フォトリーディングセミナーで紹介された本の一冊です。このブログでも度々紹介している池谷先生の本です。表紙には、「脳の性質を無視した学習は時間のムダ」と書かれています。
【目次】
はじめに
第1章 脳の機能は「忘れて当然!」
第2章 曖昧でいい加減な「脳の本質」
第3章 だれでも天才になれる「記憶法」
第4章 記憶の仕組みと学習方法
おわりに
【注目ポイント】
第1章 脳の機能は「忘れて当然!」
脳にある神経細胞は、だいたい一千億個あるそうです。仮に、この細胞一個に一文字ずつ記憶されるとします。すると新聞はどれくらい記憶できるでしょうか?新聞の朝刊に含まれる文字数は、だいたい40万字だそうです。したがって、この朝刊がだいたい700年分が神経細胞に収まる計算になるそうです。私も読んでいて、この記憶容量は結構すごいなぁと思いました。
ところで、実際の日常では、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を通して周囲の環境に関する膨大な情報が流れています。例えば、今、私の場合は、音楽を聴きながら、チョコレートを食べ、チョコの香りを嗅ぎながら、モニターを見て、キーボードを打っています。このように私たちが生きている間に、刻一刻と発生する周囲の環境の情報は、全て脳にも届いています。もし、これらの情報を記憶したならば、脳は5分以内で限界になるそうです。
したがって、脳は記憶することよりも忘れることのほうが得意だと言う訳ですね。この話、すごく説得力があると思いますが、いかがでしょうか?ちなみに、忘却スピードには、個人差が少ないことも知られているそうです。(つまりみんな同じように忘れるということです。)
第2章 曖昧でいい加減な「脳の本質」
記憶の特性のひとつには、「失敗」と「繰り返し」によって形成されて強化されるということがあるそうです。これは、動物に一定条件を満たすと褒美が与えられる仕組みを作っておくと、失敗を繰り返し、徐々に学習していくという実験結果に基づいています。
また、もうひとつには、細かいものごとの差を理解するためには、まず最初に大局を理解しておくことが必要だそうです。これは、頭の中に棚をまず作っておいて、ラベルを貼り、それぞれ異なる本をジャンル分けして収納していくイメージでしょうね。
第3章 だれでも天才になれる「記憶法」
「経験記憶」と「知識記憶」が大切な脳の記憶機能だと言えますね。自分の過去の経験が絡んだ記憶を「経験記憶」、きっかけがないと思い出 せない知識のような記憶を「知識記憶」と呼ぶそうです。「経験記憶」は、覚えやすく、忘れ難いと言ういう特徴もあります。加齢に伴い、この「経験記憶」が 強化され、「知識記憶」が弱まるということは、フォトリーディングセミナーでも教えていただいたことでもあります。ただし、経験記憶も次第に、知識記憶と して置き換えられてしまうことにも注意が必要ですね。これは、学んどことを人に話すことで、回避できるそうです。
第4章 記憶の仕組みと学習方法
これ以外にも、耳の記憶は目の記憶よりも強い、「方法記憶」は忘れ難くて根強い、勉強の効果が現れるのは3ヶ月後、二ヶ月間に4回の復習がベスト、六時 間以上の睡眠が学習の鉄則、毎日コツコツ少しずつが能率的!、生体の危機感を利用した学習は強力、といったトピックスが参考になりました。
特にこの中で、生体の危機感を〜は、思い当たる節があるので実体験をご紹介しましょう。それは、お昼前の空腹時に仕事が非常にはかどるということです。 ところが、この集中には、絶妙なタイミングやバランスが必要で、少しでも狂うとおなかが空いたことで、頭がいっぱいになってしまいます。
【読書後の感想ひとこと】
自分の脳の特徴(取扱説明書)を理解することは、仕事の効率アップに必要ですよね。そういえば、吉田たかよし先生も脳の特性を利用した効率的な勉強法を紹介されていることを思い出しました。次回ご紹介しましょう。
【関連記事】
◆『山といえば川:仕事ができる人の実践思考術』
◆『山といえば川:図解 あの人はいつ勉強しているのか』
【今日の折り目】
14折/95ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【読書カウンター】
★★★★★ ★★★★★
★★★★☆ ☆☆☆☆☆ 今月は、あと6冊!
【バックリンク】
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◦ 速読法と記憶法
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