誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国
シルヴァーノ・アゴスティ
2008
本屋をぶらぶらしていたらこの本を見つけました。キルギシアという国では、人は1日3時間しか働かず、とても幸せに暮らしているそうです。イタリアでベストセラーの寓話だそうです。小説だということに買ってから気づきました。(遅い!)
訳者である野村雅夫さんのあとがきから、この桃源郷のような、キルギシアの物語をご紹介します。
キルギシアは、アジアのどこかにある国です。この国のモットーは、3つ。人間らしさを尊重する社会であること。不安のない穏やかな暮らしを生涯送れること。誰もが運命の指揮者になれること。これを実現するために、キルギシアは物質的なことだけでなく、ゆとりある「時間」を国民に保証しているのだそうです。
理想郷だと片づけてしまえば、それまでです。しかし、この本には世知辛い日々に潤いをもたらすヒントが隠されているようにも思いました。
【目次】
一通目の手紙 僕は新しい社会が生まれる奇跡に立ち会うことになった
二通目の手紙 子どもたちは十六年間遊びながら過ごす
三通目の手紙 僕たちは誰しもが自分という国の元首なんです
四通目の手紙 健やかな肉体に勝る病院というのはありません
五通目の手紙 死者を埋葬するみたいに武器を土に埋めてしまった
六通目の手紙 人が本質的に求めることに望むことって、概ねこの八つ
七通目の手紙 警察も、軍隊と同じように社会から姿を消したんです
八通目の手紙 一つひとつの出会いを人生がくれた最高の贈り物だと考える
九通目の手紙 成人すると市民一人ひとりに住居が支給される
十通目の手紙 今、僕に新しい生活を思い描く力を与えてくれている
訳者あとがき
【注目の3ポイント】
《1.1日8時間労働の歪み》
1日8時間働くことが、社会的な緊張や神経症、鬱、体の不調を生み出している。また、休暇の時期になると、無理矢理楽しむことを強制される。
これに対して、キルギシアでは3時間しか働かないので、少なくとも1日の半分は、自分の生活のために費やすことが出来る。
《2.誰もが本質的に望むこと》
- ちゃんと眠る
- ちゃんと食べる
- ちゃんと働く
- ちゃんと学ぶ
- ちゃんと与える
- ちゃんと創る
- ちゃんと愛する
- ちゃんと意識する
《3.我が家のキルギシア建国》
家族メンバーが国民となって、ミニキルギシアを作りました。家事を分担して、それぞれにできる範囲のことをやります。週ごとに、監督(リーダー)が交代して、家事を指揮するのだそうです。
『僕らの生活っていうのは、もともとの役割をいったんばらばらにしてしまうだけで、蝶の羽のように軽くなるものなんだね』
【読書後の感想ひとこと】
気づいた人は誰でもそれで待ちを綺麗にすることがでりるように、キルギシアの街には、お掃除道具がいたるところにおいてあるそうです。実際に置いてみると、自分の周りも綺麗になりそうです。
キルギシアでは、将来1日2時間労働にするために制度を整えているそうです。パレートの法則に基づいて、理論的に考えてみました。私たちの8時間労働で生み出される成果の8割は、2割の時間で生み出されていると。8時間の20%とは、96分です。キルギシアの人々は、労働時間は短いが、仕事は速いそうです。そう考えると、短時間労働も現実味が帯びてきますね。
【参考サイト】
* 心に残る本:「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」
牛くんの母さんのブログです。素敵な感想が書かれていました。
【今日の折り目】
5折/133ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【満足度】
4
(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません
【読書カウンター】
★★★★★ ★★★☆☆
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2 件のコメント:
ご紹介ありがとうございました。
この本、とても素敵ですね!
書店で見かけて即買いました。
いろんな人にすすめてまわっています。
牛くんの母さんへ
コメントありがとうございます。
ほうきの話が、この国を象徴しているように思います。助け合いの重なりが大きければ大きいほど、キルギシアは安定していくのでしょうね。
心に残る良い物語りでした。
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