2008年7月1日火曜日

84: 会議の技法


会議の技法―チームワークがひらく発想の新次元

吉田 新一郎

2000

 今日は、以前紹介した『効果10倍の“教える”技術』の吉田 新一郎さんの『会議の技法』を読みました。よりよい会議にするために、勉強することにしました。

 本書では、内容が充実しており、達成感が得られ、参加してよかったと思える会議を運営する具体的な方法が紹介されています。


【目次】

序章 「会議社会」のなかで
第1章 会議を準備する
第2章 会議をはじめる
第3章 会議を運営する
第4章 会議で発表する
第5章 情報“アイディア”を共有する
第6章 会議を終わらせる
第7章 会議に必要なスキルを磨く
終章 会議を変える糸口
あとがき


【注目の3ポイント】

《1.会議の目的の種類と3つのねらい》

 まず、本書にあげられていた会議の具体的な目的の例を8つ挙げておきます。

 (1)問題解決を目的としたもの
 (2)計画作りを目的としたもの
 (3)アイディアをたくさん出すことを目的としたもの
 (4)合意を形成したり、物事を決定することを目的としたもの
 (5)参加者の出会いや関係づくりを目的としたもの
 (6)参加者各自の報告およびそれらに対する質疑応答を目的としたもの
 (7)祝うことや成功を共有することを目的としたもの
 (8)反省や評価を目的としたもの

 これらの会議の目的に対して、さらに上位のねらいは、3つあるそうです。

  1. 参加してもらうことで、複数の人間に意思決定や問題解決の過程に関わってもらい、実行しやすくする。あるいは、少なくとも反対がないようにする。
  2. 組織のなかの人たちと情報交換し、人間関係を作り、維持する。
  3. 一人ではいいアイディアが出せないので、組織内の他の人たちの力を借りたい。

 さらに、会議の前準備として、以下の点について予め考えておくべきだそうです。

  • 達成したいことは何か?
  • 誰に参加してもらうのがいいのか?
  • 会議を実施するためにかかる経費はどのくらいか?
  • 期待できる成果は、その経費に見合っているか?
  • 他に、ねらいを達成するためのより効果的・効率的な方法はないか?
  • 会議に割く時間はどれくらいが望ましいのか?
  • 会議の時間を出来るだけ短くするために、事前に情報を共有しておく有効な方法にはどんなものがあるか?

《2.15分以上話さない》

 ほとんどの人は、15分以上集中力を維持することは出来ないそうです。憶えておくべきですね。

《3.問題解決のサイクル》

 問題解決のサイクルのうち、最も大切なのが、はじめの問題設定です。しっかりした問題を設定するためには、3つのポイントがあり、自分で設定した問題がこれらを満たしているか確認すると良いそうです。

  • 明確かつ簡潔なもの
  • 具体的かつ解決(達成)可能なもの
  • 評価できること
 次に大切なのが、計画づくりの段階で、4W1H + 1F (Finance)を明確に提示することです。予算が決まればより具体的な計画になります。

 著者がこれまでに参加した会議のなかで、最も感銘を受けた報告にあったことが最後のポイントです。それは、問題解決過程の最後の段階である「評価」です。達成内容だけでなく、今後の課題を具体的に示すことが、次の問題解決のサイクルの原動力になるのですね。


【読書後の感想ひとこと】

 人間の歴史のなかで進歩の見られない分野が3つあるそうです。「政治」と「環境」と「空間の利用」出そうです。

 これら3つの分野で問題となっていることは、少なからず会議が原因になっているように思える。その一方で、これらの問題を解決できるのもまた、会議である。このように吉田さんは、述べています。

 貴重な時間を使って行なわれる会議を少しでも、実りあるものに努力し続けることが大切ですね。


【関連記事】

● 開米 瑞浩 仕事が10倍速くなる最強の図解術
  議事録の図解法について記事にしています。

● 吉田 新一郎 効果10倍の“教える”技術
  効果的な講義を開くための本です。会議の参加者に必要な情報を伝えるために、考えておくべきことにも応用できます。


【読みたくなった本】


  ■ 遠竹 智寿子 ペンとノートで発想を広げる“お絵描き”ノート術 マインドマップ(R)が本当に使いこなせる本 2008
    以前、『「できる社員」の最強メソッド マインドマップ(R)ビジネス超発想術』という本を買いました。その続編です。やまもとさをん さんが紹介されていましたので、さっそく買ってみます。絵画と同じで、人が描いたマインドマップは眺めているだけでも楽しいですね。DVDもついてるそうです。楽しみ楽しみ。


【参考サイト】

* マインドマップ1年生 plusフォトリーディング!:本の発売日ですね
  さをん さんのマインドマップは、とっても綺麗でかわいいです。『ペンとノートで・・・』にも掲載されているそうです。

【今日の折り目】

21折/235ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。


【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません


【読書カウンター】

★☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆ ☆☆

今月は、あと26冊!

【バックリンク】

◦ するどい「質問力」!
◦ 出会って1分で相手の心をつかみなさい
◦ 1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術
◦ ワークショップデザイン

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