2008年8月14日木曜日

1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術


1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術

斎藤 岳

2008


【読書の目的】

書店で見かけて購入した1冊です。斎藤 岳さんは、「会議・打ち合わせで結論を出す技術」を体系化してセミナーで講師をされているそうです。

最近、会議・ミーティングなどが増えました。話し合いの場には、多様なバックグラウンドを持った方々が出席され、積極的でかつ建設的な議論が繰り広げられるので、毎回とても楽しく会議に出席しています。(新しい会議を体験することは本当にいいですね。勉強になることが沢山あります。)

そこで、この楽しい会議をさらに面白くするために、本書を読むことにしました。


【感想】

家族会議がモデルとして取り上げられています。宝くじで100万円当たった家族が、旅行先をめぐって話し合います。発案から議論の収束までの過程を読むと「なるほど〜こうやって論点がズレていくのか」などと客観的に議論の展開を追いながら、問題点に注目することができました。

また、本書はそこから会議を成功させるポイントを体系化して解説されています。ポイントはシンプルで、非常にわかりやすかったです。これなら実践できますね。

プロジェクトには会議がつきものです。一人ではなく、たくさんの方々の協力を必要としますから。本書を読んで、どんどんプロジェクトを進めたくなりました。

この本はこれからも何度も読むことになりそうです。

本書は、
    ・会議がつまらない
    ・どうにかしたい
    ・楽しい会議にしたい
という方々にオススメの1冊です。

最後に、まえがきから斎藤 岳さんの言葉を要約しておきます。

    個人の持つ「問題解決能力」 × 複数の人が集って「結論を出す能力」
     =コラボして、デッカイことをやり遂げる


【注目の3ポイント】

《1.なぜ会議で結論が出ないのか?》

本書のタイトル通り、まずこのことについて認識しておかなければなりませんね。

なぜ、会議では結論がでないことがあるのでしょうか?

その原因は3つあると斎藤 岳さんは書かれています。

  1. 会議の参加者が勝手なことを話している
  2. 会議の中身の理解が十分でない
  3. 会議の参加者に一体感がない

勝手なことを話しているということは論点から脱線しているということですね。ですので、もとの線路に戻す必要があります。また、参加者が議題に関して理解不足の場合は議題に関する情報を補充することが必要でしょうね。一体感を持たせるのは高度なワザがいるでしょうね。

《2.結論に辿り着くための7つの心得》

     1.ゴールを明確にせよ
     2.いま話すべき論点を問いかけ、議論を集中させよ
     3.停滞・対立には思い切って踏み込め。立ち上がってドライブせよ
     4.空中戦、思考停止ワードを避け、事実を炙り出せ
     5.頭の中を構造化させ、本質をつかみとれ
     6.一人ひとりを気持ちよくして、場の空気をつくれ
     7.参加者を観察し、動き(ニーズ)に敏感になれ


1点目について、
ゴールを明確にする例にサッカーを取り上げられていて面白かったのでいくつか引用します。

  • 1点でも多く点を取れば勝ちなのか
  • 点数より印象に残る試合であることが重要なのか
  • 一人ひとりが楽しめればいいのか
  • 試合後の飲み会のために体力を残しておくことが重要なのか

2点目について、
論点を問いかけてアイデアや意見を引き出すというサイクルを作って会議を進めていくということですね。

5点目について、
事実に着目した議論とその議論の構造化を意識すると議題に対する理解が進みます。意見と事実は対極にあります。なるべく客観的で法則化された“事実”に基づいて話し合われなければいけないそうです。また、構造化することによって参加者は頭を整理しながら、議論の展開についてくることができるのだそうです。

6点目と7点目について、
この心得が、会議の参加者に一体感を持たせるコツになるそうです。

「論理的な納得」だけでなく、「感情的な納得」も会議の結論には必要だからなのですね。

《3.初心者はまずはこの4ポイント》

1.ゴールを意識する
2.ホワイトボードの前に立ち、とにかく書く
3.論理構造を頭のなかで考える
4.愛をもって接する

この4点からまず始めるのも手ですね。


【関連記事】

● 吉田 新一郎 会議の技法
 人類の進化上で進歩がない分野は3つあるといいます。その3つの分野には会議が密接に関係しています。本書は、会議を成功させるための考え方を教えてくれました。

● 山田ズーニー 伝わる・揺さぶる!文章を書く 2001
 議題を問いにすることが、議事録の書くコツなのだそうです。


【読みたくなった本】

■ 本田 宗一郎 俺の考え 1996
 本田さんの指摘する、アイデアの欠点だけをつつくような会議をするのは嫌ですね。


【今日の折り目】

30折/238ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。


【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません


【目次】

はじめに
第1章 「結論を出す能力」を身につけよう
第2章 会議・打ち合わせを科学する
第3章 会議・打ち合わせの技術を知る
第4章 困った!問題にどう対処する?
第5章 プロジェクトにおける会議のコツを学ぶ
おわりに


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