2008年8月20日水曜日

図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく


図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく

鈴木 義幸

2006


『聞くが価値 vol. 02』セミナーで坂田 篤史さんが、質問タイムで紹介してくださった1冊です。『3分間コーチ』の伊藤 守さんが監修されているのですね。


【読書の目的】

1.Why ?

上司・部下を含め、人と円滑なコミュニケーションを図るため。人脈を広げ、維持するためには必要だと感じました。

2.What ?

人の特徴を判断するポイントを理解し、各人にあった対応の仕方を学びます。

3.How ?

読みたい部分をピックアップして読みます。


【感想】

「部 下は上司を3日で見抜くが、上司は部下を3年かかっても見抜けない」という言葉を以前紹介しました。しかし、相手について予め注目しておいてから本書を読 むと10分程度で輪郭は確実につかめます。「自己主張」「感情表出」を軸にした特徴分析は、シンプルなのでわかりやすいです。

典型的な4タイプに属する人はこれだけで判断できましたので、この2軸がもっともよい指標になることがよく分かりました。

この本は、

 ・どうも上司とうまくいかない
 ・部下の考えていることがよくわからない
 ・自分はどうも今の職が合ってないと悩んでいる

という方にオススメです。


【注目の3ポイント】

《1.人を4つに分けるということ》

  もとより人をたった4つのタイプに分けることなどできません。でも、何らかのインターフェースがないと、私たちは、とどのつまりが、まわりの人を、好き嫌 い、自分と同じか違うかなどの2つに分けてしまうのです。しかも、たいていは、この人から過去にこんなことを言われた、過去に同じような人とうまくいかな かったなどの単純な理由で。そうして、好きな人、意見の合う人とまとまりたがる。
 その結果生じる、同じようなタイプが集まってプロジェクトを進めることのリスク、違うタイプの人たちを排除することによって生まれるリスクについては、言うまでもないでしょう。

人は分からないものを遠ざける本能があるといいます。きっかけ(インターフェース)さえつかめたら、その人を受け入れることも出来るでしょうね。

 タイプ分けは、他者との関係をつくるうえで、とても役立つツールですが、注意しておかなければいけないことがあります。それは、最初にも少し触れたように、「過信は禁物」ということです。

相手の世界の扉を開ける1つの「鍵」として、このタイプ分けを使うのです。

決めつけてはいけないということですね。多くの場合、複数のタイプにまたがっているだけでなく、時と場合によってタイプが変化することもあり得るからです。「鍵」という表現と挿絵が非常にわかりやすいので、ぜひこのページを見て頂きたいと思います。

《2.相手のタイプを見分ける必要性》

 特に、部下を育て、動かし、目標を達成していかなければいけないマネージャーにとっては、部下とのコミュニケーションをいかに効果的にとるかが、重要な課題になってきているはずです。

「相手を理解し、戦略的な対応をしていく」うえでも、タイプ分けは、非常に役立ちます。

部下を育てるための本がたくさん出ていますが、まずは相手の扉を開かないと始まりませんね。

《3.職業人のタイプ》

営業職には圧倒的に押しの強い活気のあるタイプ(コントローラーやプロモーター)が多いそ うです。しかし、トップセールスの人々中には、どちらかというと不利なアナライザーが1人含まれていたそうです。彼は、他のセールスマンのようにアクティ ブに動く代わりに、丹念に顧客に合わせた情報を収集していたそうです。そういう姿に顧客は安心し、自然に売り上げが増えるのだそうです。

タイプが職を決めるのではなく、いかに自分の強みを活かしていけるかが職を決めるという素晴らしいエピソードですね。


【関連記事】

● 『聞くが価値』vol.02に参加してきました!

坂田 篤史さんは、『図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく』を紹介され、相手に合わせて話すようにしているとのことでした。この本を読むと坂田さんの意見がよく分かりました。

● 伊藤 守 ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 3分間コーチ

部下に仕事をしやすい環境をどう創るかについて記事にしています。

● 第一編集局セオリープロジェクト 人を見抜く力〔セオリー〕vol.6

「部下は上司を3日で見抜くが、上司は部下を3年かかっても見抜けない」とは、荻田 伍さんが紹介されていた言葉です。

● 齋藤 孝 齋藤孝の「教え力」アップノート!

部下ごとの表面的特徴を理解したら、内面的にも成長を促すことができるでしょうね。次にこれを読むと効果的だと思います。復習してみます。

● 木村 孝,高橋 慶治 問題解決のための「質問力」

エニアグラムを使って9つに人を分類することで、対人順応力があがりそうです。


【参考サイト】

* PLFインタビュー|【第2回】鈴木義幸氏
* Test.jp|あなた自身を知るサイト


【参考書籍】

1.吉田 典生 なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか?  2005
2.吉田 典生 「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人 2006


【読みたくなった本】

■ 鈴木 義幸 コーチングが人を活かす 2000
■ マリリーG.アダムス,中西 真雄美 QT 質問思考の技術 2005
■ ルパート・イールズ=ホワイト コーチングのプロが使っている質問力ノート 2004


【今日の折り目】

10折/75ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。


【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません


【目次】

はじめに
Part 1 自分のタイプを知ろう
Part 2 まわりの人のタイプを知ろう
Part 3 それぞれのタイプとの接し方を知っておこう
Part 4 タイプ別リーダーシップのとり方
コーチングをもっと知るには


【読書カウンター】

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今月は、あと9冊!

【バックリンク】

* 書評の塊:2008年8月21日 の書評
sundobaさんにこの記事を取り上げて頂きました。感謝!

 28歳までに他社からスカウトされる人脈術

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