2008年6月20日金曜日

75: 齋藤孝の「教え力」アップノート!


齋藤孝の「教え力」アップノート!―部下を伸ばして結果を出す

齋藤 孝

2006

 今日は、齋藤 孝先生の『「教え力」アップノート!』を読みました。「上司のいちばんの仕事は部下を教え伸ばすこと」という齋藤先生のあつい言葉に引かれて買いました。

 上司が身につけるべき「教え力」というものはどんなものか、その力をアップするためにはどうしたらいいのかという観点から、この本は書かれています。


【目次】

序章 相手に幸福感を与える「教える」とは
1章 モチベーションをかきたてる憧れる力
2章 相手に足りない力を見抜く評価力
3章 臨機応変に教えるためのライブ能力
4章 実践!部下の能力アップ練習メニュー
終章 「教える」の最終目標そして自立へ


【注目の3ポイント】

《1.「教える」最終目標は相手の自立》

 これまで“教える”ということは、作業自体をコピーさせるというイメージが強かったです。しかし、齋藤先生が述べられている通り、最終的には教えている相手が1人で仕事を進めていけるようにしてあげるのが最終目標ですね。ずっと一緒についていてあげられる訳でもないですしね。

 自分で仕事を進められるようになるということは、自分自身で成長するためのループを作り出せるようになるということです。こうなるためには、自分に対して、客観的な判断を下しながら、出来ていないことを自覚し改善を試みる必要があります。また、仕事に熱意を持って、臨機応変に対応していけるようにならなければいけないでしょう。

 齋藤先生は、「教える」の中心は練習メニューをしてもらうことだと言います。その練習メニューを考えるために必要な力が“憧れる力・評価力・ライブ能力”の3つの力なのだそうです。憧れる力は、教える側が、仕事に対する情熱を持ち、それを教えられる側と共有することです。評価力は、教えられる側を適切に見極め、改善ポイントを指摘していくということです。ライブ能力は、状況に応じて練習メニューを調節するということです。

 先に述べたように、「教える」の最終目標が、自立ならば、この3力を身につけさせることが、教える側の具体的な課題になるということでしょうね。

《2.憧れることによりモチベーションが湧く》

 エッセンスを抜き書きします。

 ◦ のめり込んでいる人の話は魅力的であり、そういう人が仕事の面白さを伝えることができるのである。
 ◦ 教える側の目指しているところを、教える側と一緒に見る。
 ◦ 上司は、部下以上に勉強量が必要である。

 仮に、教える側の勉強量が不十分でも、学ぶ謙虚さ・練習している素直さを学ぶ側に示すことができれば、学ぶ立場の人はそのことに尊敬の念を抱くそうです。そして、自分も一緒にやってみようと思うのでしょうね。いいことですね。

《3.ライブなコミュニケーション》

 物事を教えている時に、メモを取らない人がいるとします。その人が忘れっぽい人だとしたら、メモを取らないことに、私は非常に不安感を抱きます。逆に、こまめにメモを取っている人なら、少し忘れていても(結局はちゃんと思い出してくれますし)、安心していられます。

 これと同じことが、逆転して起こるということを理解しました。

 齋藤先生のアドバイスは、部下の話をメモしながら聞くようにすると信頼感が生まれるということです。これには、信頼感という心理的な効用に加えて次の2点の効果もあるそうです。

  1.自分自身の学ぶ姿勢を見せることによって、部下の学ぶ構えを作ることが出来る。
  2.部下の意見を取り入れる、部下からも学ぶという姿勢が、上司の柔軟性を示すことになる。

 これを読む前に、自分も最近メモしながら話を聞くようにしていたので、ナルホドっと思いました。


【読書後の感想ひとこと】

 ページ数の少ない本ですが、内容は非常に濃い本でした。すぐに役立つ考え方をたくさん吸収することができました。良書ですね。


【関連記事】

● 効果10倍の“教える”技術
  学ぶ側が主体とならなければいけないということを記事にしています。自立が目標ならばこうあるべきですね。

● 相手がわかるように教える技術
  センスを見抜くことについて記事にしています。評価力の一つですね。

● 「わかった」と言わせる説明の達人に変わる本
  どうしたら伝えられるかを考えること自体が情熱なので、学ぶ側に伝わるのでしょうね。

● 説明上手になれる「らくがき」の技術
 私は、この本を読んで、ものごとを説明する時に絵を描くことが増えました。


【今日の折り目】

19折/95ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。

【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません

【読書カウンター】

★★★★★ ★★★★★
★★★★★ ★★☆☆☆
☆☆☆☆☆

今月は、あと8冊!

【バックリンク】

◦ デキる上司は定時に帰る
◦ 図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく
◦ 超!部下マネジメント術 ~1/3の時間と労力で人が育つ~


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