2008年6月27日金曜日

81: 答えが見つかるまで考え抜く技術


答えが見つかるまで考え抜く技術

表 三郎

2003

 今日は、表 三郎 先生の『答えが見つかるまで考え抜く技術』をご紹介します。タイトルに引かれてこの本を買いました。職業柄考え事が多いので、一つでも多くの答えを導き出すために、読みました。


【目次】

「考える人間」から「考え抜く人間」になろう
考え抜くためのヒントを知っておこう
ふだんの生活で考え抜くクセをつけよう
この読書法で、考え抜く力を養おう
常識を踏み越えていく人間になろう
考え抜いたことは絶対、行動に移そう


【注目の3ポイント】

《1.問いを立てて答えを見つける》

 世の中や人生には、不思議なことが溢れています。多くの人は、いったん考えはするけど、考え抜く人は結構少ないのだそうです。自ら立てた問いに対する答えは、自らにしか引き出すことが出来ないと、表先生は言います。

 ただし、答えはすぐに見つかるものではなく、何かの拍子にふっと湧いてくることもあるそうです。だから、たとえ難しい問いであっても、いったん頭にストックしておいて、折にふれて思い出して、考え直せばいいのだそうです。

 考える時には、自分の使っている文体や言葉に影響されることに気をつけて、時には読書により他人の考えを自分の経験に組み込むといい。また、間合いと見切りという時空間の感覚を意識しながら、時には考えることを止めてしまうのも一つの手である。さらに、考えること自体が、問いに対する答えをキャッチするアンテナの感度を上げる。考えたり、考えなかったりすることで、潜在意識化した問いに対して、ある時その答えが得られる。考え抜くとは、こういうことなのだそうです。



《2.スマートになるとエネルギーを失う》

 表先生は、優等生にみられる弱点について指摘されています。引用します。

 受験勉強が得意な人間は、要領のよさも兼ね備えている人が多いから、社会人になってからも、仕事のできる人としてまわりから評価されることも多い。

 たしかに仕事はできるかもしれない。会社にとっては使い勝手のよい便利な社員だろうし、本人も満足しているかもしれない。

 しかし、その人が本当の意味でのクリエイティブな仕事をするかといえば、大きな疑問符がつく。なぜなら、クリエイティブな発想は、ルールを壊し、ルールを乗り越え、みずから新しいルールをつくっていくことから生まれるからである。それには、とてつもなく大きなエネルギーが必要とされるのだ。

 残念ながら、スマートな人間には、そのエネルギーが欠けている。

 これからの社会で活躍するのは、スマートな人間ではなく、野蛮な人間であると、表先生は主張しています。昨日読んだ、坪田先生の“知的野蛮であれ”という言葉を思い出しました。
 
《3.印象的なフレーズ集》

 ・寝起きに水分をとると消化器官が活動を始めるので、体が起きる。
 ・読書は、行間に隠されている著者の発想の根源を探る。
 ・若者は、八割くらいがハッタリくらいの姿勢で生きるべき。
 ・頼まれたことは必ず引き受けろ。
 ・枠を飛び越えて発想し、規則性を疑い、関係のないものにリンクを貼り、そして新しい着想を得る。
 ・人は必ずなりたいものになる。

 けっして順風満帆な人生とはいえない表先生ならではの一言ですね。それにしても、午前1時起きとは早起きすぎますね。 見田村 元宣さんもびっくりでしょうね。


【読書後の感想ひとこと】

 自分も予備校生時代を過ごした一人です。予備校の講師の先生方は、みなさん個性的でした。また、経歴も様々でした。今考えると、それらの個性は、先生方一人ひとりが、考えながら歩むうちに形作られてきたのだということに気づきました。

 浪人時代は決して華やかではありませんでしたが、多くの尊敬すべき講師の先生方に出会えた点で、回り道ではなかったと思います。また講義を受けたいと思ってしまいました。

 本書は、2008年に文庫化されたようです。よろしければ、どうぞ。

 ◆ 表 三郎 答えが見つかるまで考え抜く技術 2008


【関連記事】

● 坪田 一男 理系のための人生設計ガイド
  知的野蛮のすすめについて、書かれています。

●  見田村 元宣 朝9時までの「超」仕事術
  4時起きの三田村さんの時間術について記事にしています。

潜在領域への問いかけ

【参考サイト】

* Timebook Town This Month インタビュー|表 三郎 (前編後編
  『虎が死んで皮を残すなら、人は死んで日記を残すべきだ。』
  第10回(2005年1月掲載)


【読みたくなった本】

  ■ 表 三郎 日記の魔力―この習慣が人生を劇的に変える 2004


【今日の折り目】

29折/189ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。

【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません

【読書カウンター】

★★★★★ ★★★★★
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★★★☆☆

今月は、あと2冊!

【バックリンク】

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