2008年6月7日土曜日

64: スピードハックス


スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術

大橋 悦夫,佐々木 正悟

2007

 今日は、シゴタノの管理人の大橋 悦夫さんと佐々木 正悟さんが書かれた仕事術の本をご紹介します。仕事を早く終わらせたいと日々考えているので、仕事のスピードを上げるための「仕組み」と「やる気」について、書かれたこの本を読むことにしました。


 「はじめに」は、大橋さんが書かれています。大橋さんは、残業が多い業界のひとつであるシステム開発というお仕事をされていたそうです。そこでは、残業が常態化していたため、集中して仕事に取り組めなくなっていたそうです。しかし、そんな会社の中にも、早く帰宅する人がいたそうで、そのような人の行動を観察していたそうです。


【目次】

はじめに
第1章 まず「取りかかる」気持ちを起こす
第2章 「段取り」を決めてスピードを上げる
第3章 スピードアップにつながる「やる気」を引き出す
第4章 作業の時間をスライスして管理する
第5章 自分の今の仕事環境をテコにする
第6章 1つの「原則」を決めて作業中の迷いを断つ
第7章 「習慣の力」を最大限に活用する
第8章 「アイドルタイム」(待ち時間)を減らす
第9章 とにかく「ゴール」までたどり着く
巻末付録 仕事のスピードアップに役立つTips集
おわりに


【注目の3ポイント】

《1.残業が多い会社で、早く退社する人のパターンとは?》

 大橋さんの勤められていた会社の中でも、ごく少数の「早めに退社」する人たちには、3つの共通した行動パターンがあったそうです。

  1. 分からないことはすぐに人に尋ねる
  2. 仕事の進め方が確立されている
  3. 邪魔しづらい雰囲気を醸し出している

 (2)の仕事の進め方が確立されているということは、仕事を早く進めるための“仕組み”を作り出して、これをうまく回しているということだそう です。本田 直之さんが『レバレッジ・シンキング』で書かれている“仕組み化”の効用と同じだと思いました。再現性のある仕事を効率的に行なうには、この“仕組み”化 作りが必須ですね。

 記事を書きながら浮かんできたので、この“仕組み化”についてのイメージを説明します。喩えていうなら、料理のレシ ピ本のようなイメージでしょう。材料(用意すべき資料など)と料理手順(作業内容の手続き)がまとめられていて、それを見ながら料理(アウトプットすべき 事柄)を手際よく作り上げる。ルーチンワークは、これで素早く処理できるようになるでしょうし、オリジナリティーは、材料の違いや手順のアレンジで生み出せると思いました。

《2.「手強い」仕事をすぐに処理するためには?》

とりあえず、「5分だけ」やってみる

 電話をかけるとか、簡単なメール送信などの「すぐ終わる仕事」に対して、「それなりの時間が必要な仕事」は、どうしても後回しになりますし、やり残されて溜めてしまいますよね。現実逃避と言われるように、違うことを始めてしまうことも、ままあります。

 このような状況では、溜められた仕事は片付かず、さらに「それなりの時間が必要な仕事」がやってくると、ますます仕事の山は大きくなり、締切りに間に合わないタスクが発生する危険性も出てきます。

 これを打開するための対策として、とても良いアドバイスが、『とりあえず、「5分だけ」やってみる』なのです。具体的には、5分間(タイマーで測ると良い)を使って、「それなりの時間が必要な仕事」について考えてみるということです。

 ポイントは2点です。

 まず、考えるというポイントを説明します。タスクが複数あれば、それぞれの概要を5分ずつで把握すれば良いですし、1つしかない場合は、詳細な段取りを、手順や時間配分について組み立れば良いということです。

 次に、5分という時間制限について説明します。「それなりの時間が必要な仕事」のそれなりが分からないから手を付けづらい訳ですね。したがって、「まずは5分やって、止めてしまえばいい。」という気持ちを作ってしまえば、きっかけが出来るということなのです。

 このような5分を実行することによって、複数のタスクの優先順位が付けられるかもしれませんし、あるいは大きな仕事を細かく砕けば、「それなりの時間」が「ちょっとの時間」になったり「すぐ」になったりするステップが見いだせることもあるかもしれないということですね。

《3.仕事を締切り間際に追い込むループとは?》


 仕事が、先延ばしになる理由が分析されています。

  1.どこから手をつけたらいいのかわからない
  2.一気に仕上げたい

 この2つの矛盾した要求がループになっているため、仕事は手を付けられることなく、時間だけが経過することになるのですね。

 このループから抜け出すためには、2つの方法を使うと良いそうです。

 1つは、仕事をいくつかの段階に分けて、一気に仕上げたい欲求をそぐという方法。もう1つは、仕事の依頼主とのコミュニケーション頻度を高めるという方法。

 1つ目の方法は、《2》で書いた内容も関わってきますね。これに加えて、依頼主と途中段階で話し合うことによって、求められている成果に着実に近づいていくことができますね。これも非常に参考になるアドバイスだと思いました。


【読書後の感想ひとこと】

 注目ポイントでは、書きませんでしたが、仕事を進める上で便利なウェブサービスがふんだんに紹介されていました。Googleデスクトップ・Firefox・Googleデスクトップ・RSSリーダーなど参考にさせていただき、実際に使っています。

 索引が、タグクラウドなのが素敵です。書店で見てみてください。


【関連記事】

●ローター・J. ザイヴァート 時間管理(タイムマネジメント)セルフチェック
 時間管理のコツが、コンパクトにまとめらている本から、スケジュールの立て方を記事にしています。

【参考サイト】

シゴタノ! - 仕事を楽しくする研究日誌
 著者らの運営されているサイトです。私は毎日、読ませていただいています。


【参考書籍】

1.本田 直之 レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術 2007
 仕組み化について、解説されています。

【読みたくなった本】

  ■デビッド・アレン 仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法 2001


【今日の折り目】


28折/294ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。

【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません

【読書カウンター】

★★★★★ ★☆☆☆☆ 
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆

今月は、あと19冊!

【バックリンク】

◦ 段取り力
◦ デキる上司は定時に帰る
◦ 人に2歩差をつける先読み仕事術
◦ 『聞くが価値』vol.06に参加してきました!


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