2008年6月18日水曜日
73: 思考の整理学
思考の整理学
外山 滋比古
1986
今日は、外山さんの『思考の整理学』をご紹介します。ロングセラーなのだそうで、読むことにしました。
【目次】
I
グライダー
不幸な逆説
朝飯前
II
発酵
寝させる
カクテル
エディターシップ
触媒
アナロジー
セレンディピティ
III
情報の“メタ”化
スクラップ
カード・ノート
つんどく法
手帖とノート
メタ・ノート
IV
整理
忘却のさまざま
時の試練
すてる
とにかく書いてみる
テーマと題名
ホメテヤラネバ
V
しゃべる
談笑の間
垣根を越えて
三上・三中
知恵
ことわざの世界
VI
一次的現実
既知・未知
拡散と収斂
コンピューター
あとがき
文庫本のあとがきにかえて
【注目の3ポイント】
《1.人に教える時には》
人間には、受動的に知識を得る能力と、自分でものごとを発明、発見する能力があります。したがって、受け身学習を促す教育法ではなく、あえて“出し惜しみする”教育法をすべきだと、外山さんは述べています。人に何かを教える場合に、このことを心得ておくべきですね。
また、人はほめられて進歩するということも述べられていました。ほめながら、人を育てることも大切ですね。先日読んだ『相手がわかるように教える技術』を思い出しました。
《2.アイデアを出すためには》
アイデアを出すためのコツを抜き書きしておきます。
・考えが良く浮かぶのは、三上であり三中である。
三上とは、馬上・枕上・厠上のことです。三中は、無我夢中・散歩中・入浴中です。
・新しいものは、既に存在するものを結びつけることによって、生まれる。
無から有ではないですね。
・心をゆったり自由にすると、面白いアイデアが浮かびやすい。
リラックスして、考えようということですね。
・独創には、自分の頭で考え出した、他の追随を許さない着想が必要である。
・アイデアは寝かせておき、無意識の作用に任せると、セレンディピティを起こしやすくなる。
・転地療法のように、いつもと違う場所で考える。
場所を変える。いいですね。実践してみます。
・何かを食べることによって、思考を整理する。
リフレッシュし、物事をいったん忘れることも発想には大切なのだそうです。
《3.文章を書くためには》
文章を書くのが遅い人の特徴があげられています。せっせと本を読み、知識を増やしていくことだそうです。そんな時には、まず書いてみることが良いのだそうです。
また、気軽に、一気に最後まで書き上げるほうが良いそうです。そのあとから推敲を重ねることで、質が高まるのだそうです。
三多が文章上達の三か条だそうです。三多とは、看多(多くの本を読む)・做多(文をたくさん作る)・商量多(多くを工夫し推敲すること)です。
【読書後の感想ひとこと】
83年に出版いるのにもかかわらず、現在にもピッタリあてはまることばかり書かれていました。これと同じような感想が、他の書評ブログでも書かれています。超ロングセラーなのは、十分うなづけます。座右の書になりました。
【関連記事】
● 児玉 光雄 頭が良くなる秘密ノート
コンピュータにできない仕事をするべきだと、児玉さんは主張しています。
● 本田 直之 レバレッジ・シンキング
時間の使い方について、記事にしています。また、本書は時間割の効用についても解説されています。
● 戸田 昭直 相手がわかるように教える技術
効果的に、人に教えるためのコツを記事にしています。
【参考サイト】
*F's Garage:思考の整理学
*自分の生き方をコントロール:思考の整理学
*情報考学 Passion For The Future:思考の整理学
【参考書籍】
1.レバレッジ・シンキング 無限大の成果を生み出す4つの自己投資術 本田 直之 2007
2.頭が良くなる秘密ノート 児玉 光雄 2003
【今日の折り目】
34折/223ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【満足度】
5
(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません
【読書カウンター】
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今月は、あと10冊!
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