2008年6月25日水曜日

79: 問題解決のための「質問力」


問題解決のための「質問力」―9つの視点(エニアグラム)が仕事の質を高め、あなたを鍛える!

木村 孝,高橋 慶治

2003

 今日は、エニアグラムをご紹介します。人間の気質を理解し、それに応じた会話をするために、この本を読みました。

 著者らは、20年に及ぶ研修活動の経験から、次のことを見いだしたそうです。そしてこれらが、ビジネスをはじめとして、人生上のあらゆる問題と深く関わっているということに気づいたのだそうです。

「人は自分の見たいものしか見ていない」
「人は自分の見方が当たり前だと考える」

 このような各個人の考え方を、エニアグラムを通して理解することによって、自分らしさを活かしながら、それだけに囚われないバランスの取れた行動をとるようになれるのだそうです。今後、他人と協調しあいながら働くことがますます必要になるので、エニアグラムで人の気質をつかむことはとても重要になってくるのではないでしょうか。(cf. 1の力を10倍にする アライアンス仕事術)

 このエニアグラムでは、「人間には9つの本質があり、すべての人間はそのうちのひとつを必ず持って生まれてくる」のだそうです。



【目次】

まえがき
第1章 「質問力」を高めよう
第2章 9つの質問とエニアグラム
第3章 ビジネスに生かす「9つの質問」
第4章 人生を豊かにする「9つの質問」
第5章 この「質問」で好転した!
第6章 自分のエニアグラム・タイプを知ろう
第7章 「9つの質問」を自分のものにするトレーニング
付録 9つの質問カード
おわりに


【注目の3ポイント】

《1.エニアグラムを学ぶ5つのメリット》

  1. 自分や他者が何を求め、欲し、恐れ、どのように自分を表現しているのかが理解できる。
  2. 人間性の中に隠されている9つのパターンを知ることにより、人間一人ひとりの存在の価値を高めることができる。
  3. 自己変革と自己成長のための筋道がわかる。
  4. 自分を行動に駆り立て、固有の行動をとらせる、自分を突き動かしている動機を知ることができる。
  5. 対人関係をスムーズにし、組織内、家族間などの人間関係の問題を改善するための効果的な助言が得られる。

 この5つが、エニアグラムを学ぶメリットとして挙げられています。つまり、まず、他人との関わりについては、相手の本質を理解して、それに合わせて対応するということです。次に、自分の内面とも対話できるようになるということです。また、人間は、精神状態の変化に伴って、エニアグラムに描かれている直線に沿って変化することも知られています。安定している時は、統合の方向へ、また、ストレスがかかっている時は、分裂の方向に流れるそうです。

《2.人それぞれに備わった独自のものの考え方》

 先に、人間は自身の思考に支配されるということを書きました。また、そのことにすら実感できないのだそうです。このことについては、本書に載っている“だまし絵”を使った質問に取り組むと非常に納得できます。

 このように聞くと、自分自身の枠に囚われているような印象を持つかもしれません。しかし、そもそも人の考え方・行動の仕方にクセ(パターン)があるからこそ、性格や個性があるのだとも著者らは述べています。たしかにそうですね。だから、自分の特性を理解し、改善すべきところは直すように努力して、後は他人に合わせていけばいいのですね。

 この「自分を正しく理解する」ことは、他人を理解するよりも本当ははるかに難しいのだそうです。

《3.質問力をつける》

 日本人は、学校教育で体系的に質問力について学んだ経験がないため、「質問力」が非常に弱いのだそうです。質問力は、単純な質問を指すのではなく、今後どうすべきかを判断するための材料を漏れなく集めるような“効果的な”質問のことです。効果的な質問をすることによって、得られた回答を集積すると全体像が立体的に立ち上がってくるのだそうです。

 問題解決のための効果的な質問をするときに、9つの質問が真価を発揮します。つまり、ものごとを1点から見るのではなく、常に9つの側面から質問しながら確認するので、思い込みや視野狭窄による行き詰まりを防ぎ、真に効果的な問題解決への道を歩むことができます。


【読書後の感想ひとこと】

 自分は、どの属性なのかが気になりました。自己診断のためのチェックシートが最後についています。Webでもできるようです。(エニアグラムで自己分析)

 随所に質問例が豊富に載っていて、日常に役立ちそうです。


【関連記事】

● 書き方のコツ、話し方のワザ
  エニアグラムコーチング社長の安村 明史さんの記事をまとめています。


【参考サイト】

* 【ビジネス書評】鹿田尚樹の「読むが価値!」【ビジネスブック・ミシュラン】:
『アライアンス仕事術』@平野敦士カール
  他人と一緒に仕事をするという仕事術に関する記事が掲載されています。

* エニアグラムで自己分析|エニアグラム無料診断


【読みたくなった本】

  ■ 平野敦士カール 1の力を10倍にする アライアンス仕事術 2008


【今日の折り目】

18折/205ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。


【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません


【読書カウンター】

★★★★★ ★★★★★
★★★★★ ★★★★★
★☆☆☆☆

今月は、あと4冊!


【バックリンク】

◦ 理系のための人生設計ガイド
◦ するどい「質問力」!
◦ 図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく

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