伝わる・揺さぶる!文章を書く
山田 ズーニー
2001
今日は、山田 ズーニーさんの『伝わる・揺さぶる!文章を書く』をご紹介します。人に伝わる文章を書くために、この本を読みました。読み手に伝わる、読み手を揺さぶる文章を書くためには、どうしたらいいのでしょうか?
プロローグには、ものごとを考えない人の傷について書かれています。引用します。
何ごともあまり考えない、考えていないことにさえ気づかない人は、一見オメデタイ人のように思えるのだが、実は深く傷ついている。
彼らに教えなければならないことは、価値観ではない。センスでもない。たった1つ、自分の頭でものを考えるための具体的な方法なのだ。
この後、17歳の高校生の書いた文章が紹介されています。自分にとっての切実な問題について、「とりあえず、とりあえず、とりあえず・・・」と書かれた文章を、どのようにして山田さんは伝わる・揺さぶる文章に変えたのか?それは、大問題にいきなり結論を出すのではなく、具体的で小さな「問い」をいくつも作ってインタビューすることだったのです。
自分以上にいいものを書く必要はない。しかし、自分以下になってはいけない。だからこそ、書くために必要なのは、「考える」ことだ。
【目次】
プロローグ 考えないという傷—考える方法がわかれば、文章は生まれ変わる
第1章 機能する文章を目指す—いい文章を書くとは、どういうことか?
第2章 7つの要件の思考法—書くために、何をどう考えていくか?
第3章 伝わる・揺さぶる!文章の書き方—実践編
第4章 より効果を出す!テクニック— 上級編
第5章 その先の結果へ
エピローグ あなたと私が出会った意味
【注目の3ポイント】
《1.文章のゴールと7つの要件》
文章をなぜ書くのか?
この問いに対する本書の答えは、次の通りです。
その文章は、最終的にだれに読まれ、どうなることを目指すのか、に着目すると、驚くほど、いろいろなことが見えてきた。
あなたの書いたもので、読み手の心を動かし、状況を切り開き、望む結果を出すこと。それがゴールだ。
また、このゴールに到達するために押さえるべき要件は、次の7つです。
1.意見
2.望む結果
3.論点
4.読み手
5.自分の立場
6.論拠
7.根本思想
特に、論点・根拠・意見が実際の文章を書くときの基本となる要素となります。論点とは、問題提起です。意見とは、その問題提起に対する答えです。したがって、論点と意見は対になっています。
《2.再反論は、説得力を高めるグレードアップポイント》
ある論拠に対して、相手から予想される反論を自分で示し、それに再反論することによって、より説得力のある論理構成になります。
《3.やる気を引き出す文章》
ものごとを依頼する時に、相手のやる気を引き出すポイントを書きます。
1.自分の都合は、ほとんど入れない。
2.その人にやってもらいたい理由をはっきり書く。
3.志に共感してもらう。
4.おもしろいと感じてもらう。
5.相手がやる必然性があると感じてもらう。
また、何かを教える際のポイントも書きます。これによって、教える側のやる気を引き出すことができそうです。
1.教える内容を予め伝える。
2.教える側のねらいを、教わる側と共有する。
3.あえて素人の視線にたつ。
【読書後の感想ひとこと】
ポイントには上げませんでしたが、「読む気を引き出す文章の書き方」も非常に参考になりましたので、簡単に書き出しておきます。
- 効能を示す
- 相手にとって切実・身近な話題とリンクさせる
- タイムリーな話題とリンクさせる
- 面白そうな独特の世界を醸す
【関連記事】
●樋口 裕一 文章力の鍛え方
文章の書き方の基本から、多角的な思考による論理の強化について記事にしています。
●久恒 啓一 図で考えれば文章がうまくなる
文章は図で考えてから書くとうまくいくという本を記事にしています。
【参考サイト】
ほぼ日刊イトイ新聞:おとなの小論文教室。
山田 ズーニーさんが書かれています。
【今日の折り目】
35折/236ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【満足度】
5
(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません
【読書カウンター】
★★★★★ ★★☆☆☆
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
今月は、あと18冊!
【バックリンク】
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