天才になる瞬間―自分の中の未知能力をスパークさせる方法
斎藤 孝
2005
今日は、斎藤 孝さんの『天才になる瞬間』をご紹介します。斎藤先生は、天才と呼ばれる人の伝記を読むのが好きなのだそうです。実は、私も天才的な人はどうやってそこに至ったのかに、とても興味があります。偉人が天才になる過程について紹介されていたので、この本を読むことにしました。
『天才になる瞬間』について斎藤先生は、「自分の才能をガシッとわしづかみした感覚がうまれるとき」のことだと述べられています。自分の才能に目覚めるために、ブレイクスルーを期待し、偶然を巻き込んで必然に変えていくパワーが必要なのだそうです。また、このパワーは、成功体験の蓄積によって高まるそうです。
【目次】
はじめに
第1章 人は誰でも、天才の領域に突き抜ける潜在能力を持っている
第2章 仕事に生かす!天才になる習慣術
第3章 壁を破る!天才になる発想術
第4章 生きざまに学ぶ!天才になる人生術
おわりに
【注目の3ポイント】
《1.再生ではなく編集である》
斎藤先生は、「天才」とはどういう人間を指すのかについて定義されています。
自分が持っている才能を誰もが認める“かたち”にした人―それが天才の指標と言っていいでしょう。
また、天才と呼ばれる人は必ずしも学業成績が高いとは限らないと言われます。ここが「天才」を理解する上で重要なポイントであると斎藤先生は指摘してます。引用しておきます。
国語、算数、理科、社会といった教科の勉強は、1つの能力があれば十分対応できるもの。つまり、教科書に載っている言語化された情報を、正確に“再生”する能力が高ければ、どの教科もテストで優秀な成績をあげることはできるのです。
もちろん、それはそれで大事な能力ではありますが、社会で認められるための武器になるのは、再生よりも“編集”する能力です。
自分の中に蓄積された情報を、自分なりに再編集し、他の人にはマネのできない自分だけのスタイルで“かたち”にする。その方法をつかんだときが、“ブレイクスルー”の瞬間なのです。
これは、いいポイントをついていると思いました。この後、斎藤先生はモーツァルトの例を挙げながら説明されているように、これまでにある情報を、自分の中で巧みに消化(編集)し、独創的な“かたち”として生み出すということなのです。これはあたかも、“無”から“有”を生み出したかのように、第三者の目には映るのでしょう。
《2.天才を心の師に》
ブレイクスルーを遂げた天才を、心の中に住まわせておくことは、自分自身のエネルギーの源泉になると斎藤先生は考えられています。私も以前に、別の斎藤先生の本を読んで以来、いろいろな方々を勝手に師匠としてしまっています。あの人のようになりたいと思って生きるだけでも、かなり元気になれるので、オススメです。
《3.量的な蓄積が質的変化を引き起こす》
スポーツでは、「素振りが基本中の基本」といわれます。日常生活では使わない動作でも、反復することによって、“自然な動き”として身につけることができるということです。このような量的な蓄積によって質的な変化が起こるという現象は、スポーツだけでなく、知的生産についてもいえるそうです。
【読書後の感想ひとこと】
ブレイクスルーを天才と呼ばれる人たちはどのように引き込んだのか?斎藤先生は次のようにまとめられています。
その“ブレイクスルー”体験は、待っているだけでは訪れません。天才と呼ばれる人たちに共通しているのは、意識的に、かつ方法的に、さらに戦略的に“ブレイクスルー”を果たしたということなのです。
たまたまではない、意識的に自分を天才領域に導いているのですね。
また、本書の後半には11人の天才について考察されていて、特に、ビルゲイツや北野武さんの逸話が、とても興味深い内容でした。
【今日の折り目】
27折/189ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【満足度】
3
(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません
【読書カウンター】
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今月は、あと20冊!
【バックリンク】
◦ 「できる人」の極意!
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