論理的な話し方が身につく本―ストーリーの組み立てから説得テクニックまで
西村 克己
2006
今日は、西村 克己 先生の『論理的な話し方が身につく本』をご紹介します。論理的に相手を納得させるために、この本を読みました。
本来、話が苦手な人はいません。苦手意識を持っているだけです。
と、西村先生は述べられています。「自分は話すのが苦手だ」と、余計な心配をするから、自意識過剰になって、必要以上に緊張して、話せなくなるという悪循環に落ち入るのだそうです。したがって、論知的に話す前の、第一歩として、心の準備が必要なのですね。
【目次】
はじめに
第1章 論理的に話す前の心構え
第2章 論理的に話す基本技術
第3章 論理ストーリーを組み立てる技術
第4章 どんな時でも話題に困らない技術
第5章 論理的に相手を説得する技術
第6章 論理的に話すための「聞く」技術
第7章 プレゼンで説得する技術
【注目の3ポイント】
《1.話す前に心構えを持とう》
緊張してあがってしまうことは良くあることですよね。その“あがり”を防ぐ3つの心構えが紹介されています。
- 自信を持つ
- 相手の評価を気にしない
- 何かを伝えようと念じる
1.の『自信を持つ』は、聴いているほうにとっても重要ですね。自信なさげに説明されると「大丈夫かな?」と思ってしまいますから。話すほうとしては、聴衆がいるからこそ緊張してしまう面があると思いますが、「聴きに集まってくれている」、「注目されている」時点で、既に自分に自信を持っていいのだと思いました。
2.の『相手の評価を気にしない』は、不安を抱えながら話すと注意散漫になるということを西村先生は指摘していいます。
3.の『何かを伝えようと念じる』は、主張を一本に絞る。ということだと考えています。つまり、言いたいことを決めてしまい、後はそれを支持する事実や意見、ならびに、現段階で明らかになっている問題点を説明していくといいのだと思います。そうすると、話の全体が、ピラミッドストラクチャーに自然に構成されていくと思います。
《2.論理を組み立てて、ストーリーを話そう》
“三角ロジック”という、論理的に話す三大要素が説明されています。それは、次の3つです。
(1)主張(結論・意見)
(2)論拠(一般的な理由付け)
(3)データ(統計・事実・具体例)
主張→データは、"Why ?(なぜ)"で、論拠→主張は、"So What ?(だからどうした)"という関係になります。論拠→データは、"Because(なぜなら)"ということだと理解しました。
あと、参考になった事柄を列挙しておきます。
*帰納法と演繹法
*事実と判断は区別する
*相手に合わせて話をする
《3.プレゼンテーションで相手を説得しよう》
図解を使って、プレゼン資料をつくるというコツが参考になりました。いきなり、シートを作りはじめるのではなく、絵コンテを先に作成すると全体がまとまりやすいのですね。それから、アウトラインをつくって、全体の骨格を固めて、詳細を肉付けしていくという流れですね。
実際に自分でもやってみると抜けやもれが少ない統一感のあるスライド集を作ることができました。
【読書後の感想ひとこと】
西村克己先生は、芝浦工業大学で工学マネジメントをご研究されている先生なのだそうです。図解思考の本など書かれていて、これまでにいくつか読んでいます。非常にわかりやすい文章なので、どの本も理解が深まります。
普段、大学にいると専門的になるので、文章を書くにも、話すにも、伝わりにくくがちです。西村先生のように、広く読まれる文章を書いていきたいと思いました。
【今日の折り目】
21折/159ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【満足度】
5
(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません
【読書カウンター】
★★★★★ ★★★★★
★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆
今月は、あと12冊!
【バックリンク】
◦ 理系のための口頭発表術
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