2008年9月5日金曜日
デキる部下は「報告」しない
デキる部下は「報告」しない
小松 俊明
2007
以前紹介しました『デキる上司は定時に帰る』の続編です。
【読書の目的】
デキル部下になる。
【感想】
上司目線の本がたくさん出版されているのに、部下目線の本は少ないですよね。人は誰しも入社すると部下からスタートするのに不思議です。本書を読むと特にこのように考えさせられました。
部下をターゲットにして書かれたタイトルですが、上司である人にとっても有用な考え方を得ることができる1冊です。なぜなら、まず、まえがきにも書かれている通り、「たとえ上司であっても、それと同時に誰かの部下でもある」からです。また、「こうすれば、上司にとって仕事がしやすくなるのか!」という気づきがあるからです。実際、自分も中間管理職的立場なので、とてもたくさんの気づきがありました。(折り目の数が多いです)
この本は・・・
(今のポジションの高低に限らず)デキル人になりたい方
周囲を巻き込んでどんどん仕事を進めていきたい方
に特におススメするイチオシの本です。
ちなみに、最後のほうに上司のタイプ別分類(熱血/お気楽/勘違い/無責任)が紹介されています。自分は“お気楽タイプ”にあまりにも当てはまりすぎていて、学生さんと一緒に大ウケしてしまいました。
特徴は、「仕事は自由に任せ、普段の対応はお友達感覚だが、結果はシビアに見ている」のだそうです。完全放任ではいけませんが、大学としてある程度自由に研究できる環境を提供したいというのがスタンスにあったりします。(自分もそう育ってきたので。笑)
【注目の3ポイント】
《1.部下は上司の手足であり、マネージャーである》
部下は「手足となって働く」と表現されます。それに対して上司は“脳”か“心臓”ですね。いいなりになって働くということではなく、人体のように脳と手足がちゃんと連動(連携)して機能する必要があることを認識させられました。
自分の仕事を進めるためには、時に上司の力も必要になるでしょう。そんな時には、うまく上司を操縦する必要がありますね。
《2.ホウ・レン・ソウからF・R・Sへ》
私は『ホウ・レン・ソウ』という言葉を父から教えてもらいました。昔からずっと言われてきた部下から上司への一方通行的な『ホウ・レン・ソウ』は相互的な『F・R・S』へ変化してきているそうです。『F・R・S』とは、
F: Feedback
R: Remaind
S: Sharing
です。結果に対する分析や考察を返す"Feedback"、タイミングよく上司の記憶をフォローする"Remaid"、情報を共有する"Sharing"です。仕事はトップダウン型の一方通行的に処理するのではなく、並列的に共有化されながら処理することが重要なのですね。Web 2.0的ですよね。
《3.モチベーションを維持する大切さ》
「会議に出てきたお弁当がしょぼいと、テンションがさがりますか?」
モチベーションを維持する大切さに関して、この部分だけでも元が取れたと私は思います。
つまり、自分の仕事効率が体力面と精神面から支えられているため、精神面においてはモチベーションの維持がもっとも重要だからです。この仕事は嫌だとかいうやる気の起こらない状況とは別で、モチベーションがなくなるという状態は働く意欲が消失するという危険性があります。
さて、先の質問の意図は、『実は外的要因というのは、自分の仕事にとっては何の関係もない』ということを認識するところにあります。これがとても参考になりました。例えば、
・部下が失敗した
・上司が心ない発言をした
などといった“イベント”は実は自分の仕事ににとって『精神的には』影響がないはずです。このことを理解できたので、私は気持ちがすごく楽になり、楽しんで仕事ができるようになりました。
この部分だけは、読んで頂きたいですね。
【関連記事】
● 小松 俊明 デキる上司は定時に帰る
● 小川 浩 ヤバい情報収集術
【参考サイト】
* エグゼクティブリクルーター 小松俊明の活動記録
【今日の折り目】
32折/174ページ
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。
【満足度】
5
(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません
【目次】
はじめに
第1章 デキる部下になるための準備体操
第2章 デキる部下の段取り術-部下は高性能サーチライトであれ
第3章 デキる部下のモチベーション・コントロール術-部下はセルフ・ドクターであれ
第4章 デキる部下のアピール術-部下はダーツ名人であれ
第5章 デキる部下の上司操縦術-部下は名パイロットであれ
【読書カウンター】
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☆☆
今月は、あと17冊!
【バックリンク】
◦ 【週間ランキング】9/1 ~ 9/6【第1位】
* 書評の塊:2008年9月7日 の書評
sundobaさんにこの記事を取り上げて頂きました。感謝!
◦ 超!部下マネジメント術 ~1/3の時間と労力で人が育つ~
***
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