2008年9月27日土曜日

勉学術


勉学術

白取 春彦

2006


田村書店 千里中央店のオススメの1冊ということで、白取 春彦さんの本を購入しました。白取 春彦さんによる宗教や哲学の解説は、明快だということです。

 大人のための独学の秘訣を満載!
 学び続けたい人とのために
 独学でここまでできる!

と帯には書かれています。


【目次】

第一章 勉学は独学にかぎる
 ・独学は学習ではない
 ・「いつから」で始める
 ・疑問から知識が始まる
 ・情報と知識は違う
 ・独学はいつでもどこでもできる
 ・独学の人カント

第二章 難解な本を読むコツ
 ・ランダムに読む
 ・立体的に理解する
 ・「眺め読み」で書物に勝つ
 ・難しそうな本と遊ぶ
 ・棒線を引きながら読む
 ・多くの本を読む
 ・読書で世界が変わる

第三章 教養を身につける
 ・教養とは何か
 ・『聖書』という教養
 ・宗教書を必ずかじっておく

第四章 外国語の独学法
 ・まずは日本語を正しく使う
 ・言葉のセンスを養う
 ・学習のコツ
 ・読むことが第一
 ・その外国語の論理パターンを理解する

第五章 考える技術・調べる技術
 ・あらゆる論はすべて仮説にすぎない
 ・考え方を観察する
 ・あらゆるテーマについて調査する
 ・フリーノートを持つ
 ・図書館を活用する

あとがき


【感想】

今回ははじめに目次の詳細を転載しました。

というのも、これまでご紹介してきた本(速読術・ノート術・思考術・英語学習術)に関するすべての事柄について言及されている1冊だったからです。

<独学と学習の違い>

学習の本質は、「まねび」であり、このことは齋藤 孝先生も同じことを著書に書かれています。これに対して、独学は習うことから離れて自分なりの道を追求することを意味します。本書を読む前に、この独学の定義を理解しておく必要があります。

それは、「独学は、1人で黙々と学ぶということではなく、最高レベルの師を書物に求める」という意味だということです。

また、英語で表現すると学習が“Learn”であり、独学は“Study”ということになるそうです。ちなみに私はこの箇所を読んで、小山龍介さんの勉強本のタイトルをSTUDY HACKS!にした背景が理解できました。

<速読するまえの“眺め読み”>

そもそも自分の知識がない領域の書物を速読して理解していくことはできません。これはフォトリーディングのセミナーでも教わりました。ですので逆に言うと、読めば読むほど関連する本を読むスピードは必然的に上がります。

では、難解な本を初めて読むときはどうしたらいいのでしょうか?

その一つの方法が、“眺め読み”です。

眺め読みとは、難解な本を本棚に立てておくのではなく、雑誌や新聞と同じように扱って、ぱらぱらめくるという読み方です。分厚い本を身近に置くというのは、少し邪魔ですが、頻繁に触れることによって敷居を下げることができます。

この読み方は、新しい読書法でした。速読術と一緒に取り入れてはいかがでしょうか?

この箇所を読みながら、『シゴタノ!:読書スタイルの変化〜読了までの3つのステップ』の記事を思い出しました。

『フォーカス・リーディング』を読んだ前後あたりから、それまでの読書スタイルに変化が起きています。

それによって、今までは、

 ●ハードカバー、無理
 ●300ページ以上、無理
 ●上記以外の理由で読みづらい本、無理(言葉の好み、趣味の問題、背景知識の不足など)

という“無理三条”によって、ずいぶんと読まずに積ん読にしていた本があったのですが、その牙城を崩しに掛かることができています。

シゴタノ!:読書スタイルの変化〜読了までの3つのステップ

このように読みたくて買ってみたものの、なかなか手がつけられない本を読むために“眺め読み”が役立ちますね。

さらに、白取 春彦さんは解説書を読むのではなく、難解な本そのものを読むべきだと主張しています。私も難解な本を読む前に、ついつい解説書を買ってしまいます。解説書は理解の助けになることがありますが、注意すべき点があるというのが白取さんの意見です。

その注意点とは、良くも悪くも解説者のバイアスがかかってしまい、むしろ解説書のほうが難しくなってしまうことがあるということです。

オリジナルから読んでみるほうがわかりやすいこともあるのですね。実は書評もそうかもしれません。園 善博先生の言葉を思い出しました。

本を読む目的が知識を得ることならば、知識の量や質は、人それぞれ違うので、あなたに必要な情報であっても、他人に必要な情報とは、限りません。
本を買うときは、本も書いたこと無い人の書評に惑わされないで、買ってください。

園 善博 道

まだまだ紹介したいところがたくさんありますが、今回はここまでにしておきます。

この本は、

 ・日々勉強している方
 ・本をたくさん読んでいる方
 ・学んだことを活かしたい方

にオススメする1冊です。


【読書の目的】

勉学するうえで、必要となる考え方を仕入れる。


【注目のポイント】

 ・Studyとは究めるという意味である。

 ・独学の最終目的は、独自に新しく考え、これまでになかった見解や推理を生み出すこと。

 ・「それはいつから始まったのか」という疑問から始める。

 ・生きた知識は頭に残る。

 ・独学の障碍となるのは、感情の乱れや不健康である。

 ・速読の最大のコツは多読である。

 ・教養を身につけるとは、現実の行ないにいかすということ。

 ・文化や哲学のベースにあるのが宗教である。

 ・言葉のセンスを持つことが、外国語習得の早道。


【今日紹介した本】

■ 白取 春彦 勉学術 2006


【関連記事】

● 小山 龍介 STUDY HACKS!
● Blog #1: 道|理解する技術 情報の本質が分かる

● 本田 尚也 仕事で差がつくメモ術・ノート術
● 午堂 登紀雄 脳を「見える化」する思考ノート

● 苫米地 英人 英語は逆から学べ!

● 寺田 昌嗣 フォーカス・リーディング
● ポール・R・シーリィ,神田 昌典 あなたもいままでの10倍速く本が読める

● 児玉 光雄 頭が良くなる秘密ノート
● 日経BPムック 仕事ができる人の実践思考術


【参考サイト】

* シゴタノ!:読書スタイルの変化〜読了までの3つのステップ

* 道:理解する技術 情報の本質が分かる


【参考書籍】

1.本田 直之 レバレッジ英語勉強法 2008


【読みたくなった本】

■ マービン トケイヤー,加瀬 英明 ユダヤ5000年の教え―世界の富を動かすユダヤ人の原点を格言で学ぶ 2004
■ マービン トケイヤー,加瀬 英明 ユダヤ5000年の知恵―聖典タルムード 発想の秘密 1993
■ マービン トケイヤー,加瀬 英明 ユダヤ5000年の知恵 2005
ユダヤ人が頭が良い理由は、ずっと昔から考え方を学んできたからです。その考え方は聖書とタルムードにあるそうです。

■ フェデリコ・バルバロ 聖書―旧約・新約 1980
白取 春彦さんがおすすめする聖書です。


【ひとこと】

最近、英語を独学し始めました。iKnowはいいですね。5分あればできますし、挿絵がよいので臨場感があり、楽しみながらすすめられます。また、耳学問用にiPod touch 32GBも買いました。「私の英語勉強術」ということで記事にまとめますね。今回はご紹介しませんでしたが、語学習得のヒントも載っているので、英語を勉強している方にも本書はオススメです。


【今日の折り目】

28折/163ページ 
・・・赤ペンチェックが入ったページ数を示しています。本の興味度を定量化しています。


【満足度】



(指標の目安)
5:とてもおすすめ,何度も読みたい
4:いい本
3:ふつう
2:う〜んちょっと
1:あんまりおすすめできません


【読書カウンター】

★★★★★ ★★★★★
★★★★★ ★★★★★
★★☆

+1冊


【バックリンク】

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